アメリカの食品ロスはどうなっている? みんな知ってるあの企業の取り組みも紹介



 

こんにちは!サステナブルライターの山下です。

 

今回は、海外に目を向けて

アメリカの食品ロスに関する取り組みをみていきましょう。

 

食品ロスの量や削減に向けた活動などをご紹介します。

日本との共通点や違いには、

どのようなものがあるのでしょうか?

 

アメリカの農業事情をおさらい

 

 

アメリカの食品ロスの現状についてご紹介する前に、

アメリカの基本的な情報について改めておさらいしましょう。

学生のみなさんは学校で習ったかもしれませんね。

 

アメリカの国土面積は世界3位で、約9億8,000万ヘクタール。

そのうち農用地は約4億ヘクタールで、

なんと日本の農用地の100倍に近い面積です。

 

広大な土地で、さまざまな農業や畜産業が営まれています。

アイオワ州などの中央平原北東部では、

トウモロコシや大豆の栽培が盛んです。

 

テキサス州などの南部では、畜産業が主流です。

 

2018年のデータによると

トウモロコシ、大豆、牛肉、鶏肉、牛乳の生産量が

世界第1位という農業大国です。

 

(参照:農林水産省ウェブサイト『米国の農林水産業概況(2020年度更新)』)

 

以前のロスゼロブログでもお伝えしましたが、

アメリカの食料自給率はカロリーベースで131%、生産額ベースで90%です。

 

「カロリーベース」とは、

国民ひとりあたりの1日の摂取カロリーのうち国産品が占める割合を計算したもの。

「生産額ベース」とは

国民に供給される食料の生産額に対する国内生産の割合でしたね。

 

忘れてしまったという方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

(参照:ロスゼロブログ『正しく理解しよう! 「食料自給率」と「エネルギー自給率」のお話』)

 

アメリカの食品ロスの量、金額は?

 

 

農業大国のアメリカ、食品ロスの量も日本とはケタ違いのようです。

 

アメリカの農林水産省である

USDA(U.S. Department of Agriculture)によると、

アメリカの食料供給における食品廃棄物の割合は約30%~40%です。

 

2010年の食品廃棄物と食品ロスは約1,330億ポンド、

1,610億ドルに相当するものでした。

1ポンドは約0.45kgですから

年間約600億トン、約16兆円と考えてよいでしょう。

 

アメリカでも、食品ロスが環境や気候変動に与える影響が問題視されています。

 

特に、食品が捨てられる埋め立て場から発生するメタンガスは、

地球温暖化に強い影響を及ぼします

というのも、メタンガスの地球を温める温室効果は

二酸化炭素の21倍もあるからです。

 

食品廃棄場から生まれるメタンガスは、

アメリカのメタンガス発生源のうち、

人間の活動によるものの中で第3位とされています(2017年)。

 

(参照:USDAウェブサイト『Why should we care about food waste?』)

 

 

2030年までに食品ロスを50%削減

 

こうした背景から、

2015年9月、アメリカ政府は2030年までに

食品廃棄物と食品ロスを半減させるという目標を立てました

この目標を達成するには、政府だけでなくさまざまな企業の協力が必要です。

 

そこで、アメリカ政府はこの目標に賛同する企業を募集しました。

この目標に同意して集まったのが

U.S. Food Loss and Waste 2030 Champions

(アメリカの食品ロスと廃棄物における2030年のチャンピオン)」です。

 

「U.S. Food Loss and Waste 2030 Champions」は、

企業が自主的に参加する集まり。

 

参加するには、食品ロス・廃棄物の削減目標を定め、

そのための行動を約束しなければなりません

 

食品メーカーやフードサービス企業など、

食品に関わるさまざまな業種から参加していることが特徴です。

 

シリアル食品のメーカーであるケロッグ、

缶スープで知られるキャンベル、

スーパーマーケットを展開するウォルマートなどが参加しています。

2020年10月には、通信販売大手の

アマゾンも参加したことでも話題になりました。

現在、33の企業が名を連ねています(2021年2月23日)。

 

(参照:USDAウェブサイト『USDA U.S. Food Loss and Waste 2030 Champions』)

 

大手企業各社の取り組みを知ろう!

 

 

ここからは、それぞれ業種の異なる3社の

食品ロス・廃棄物削減のための取り組みをみていきましょう。

3社とは、

食品メーカーのケロッグ、

小売業のウォルマート、

通信販売のアマゾンです。

 

(1)ケロッグ

 

ケロッグは「U.S. Food Loss and Waste 2030 Champions」の設立当初から

参加しています。

日本ではシリアルで有名なケロッグですが、

アメリカではいろいろな種類のお菓子も販売しています。

食品ロス削減の活動として、

原料に使う果物は多少形が悪いものでも積極的に使用しています。

ジャムなどに加工すれば見た目の悪さは気になりません。

スーパーマーケットでは敬遠されがちな果物でも、

栄養価と美味しさは変わらないと主張しています。

 

(2)ウォルマート

 

小売業のウォルマートも、

2016年から参加している初期メンバーです。

 

ウォルマートは、売れ残りによる食品ロスを防ぐため、

仕入れた商品をすべて売り切ることに力を入れています。

 

不良在庫をつくらないために商品の販売予測や売り方も研究しています。

また、商品を長持ちさせる取扱い方法について、

従業員に対して教育も行っています。

 

それでも売れ残った商品はフードバンクやチャリティに寄付し、

食べられなくなったものは動物のエサや肥料、

バイオマス発電の燃料としています。

 

(3)アマゾン

2020年10月から参加したアマゾンは、まだ活動内容は報告されていません。

参加する際に約束されたアクションは、以下の通りです。

 

食品廃棄物についての報告書を作り、削減のための方法を確立すること。

また、削減の取り組みの進捗を公開し、

食品の寄付を増やすといった処理の方法を充実させることです。

 

 

食品ロス削減に特効薬なし、できることからはじめよう

 

 

食品ロスの削減は、

日本でもアメリカでも大きな課題であることに変わりはありません

解決のために、何かあっと驚くような革新的な技術があるわけでもありません。

 

大切なことは、社会のメンバーそれぞれが

今あるシステムを少しずつよくしていくことではないでしょうか。

 

消費者である私たちの役割は、

賞味期限の早いものから選ぶ、

少し見た目が悪くても気にしないといったアクションを重ねていくことです。

 

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サステナブルライター山下 略歴

電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。

【実績】「RE JOURNAL(VOL.02)」「SOLAR JOURNAL(VOL.33)」「情報誌グローバルネット 2020年4月号」ほか

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