電気代が高くなった? 高騰はいつまで続くのか、その原因は?



こんにちは、サステナブルライターの山下です。

 

近頃、電気代が高くなっていると感じたことはありませんか?

家で過ごす時間が長くなったからだろうと思っている方もいるかもしれません。

 

しかし、電気代はこの1年間、全国的に値上がりを続けていて、

4月からさらに上がることも決まっているのです。

 

この記事では、なぜ電気代がこんなに上がり続けているのか、

この高騰は一体いつまで続くのか、私たち消費者はどう対処すべきかについて、

電力会社出身の筆者が簡単にご説明します。

 

 

電気代の仕組みはどうなっている?

 

出典)資源エネルギー庁:月々の電気料金の内訳

 

 

電気代と一口に言っても、どのような仕組みになっているか

詳しく知っているという方は少ないかもしれません。

 

そこで、まず、電気代の基本的な仕組みについてご説明します

 

電気代は、毎月固定額の「基本料金」、

使用量によって変動する「電力量料金」

「再エネ賦課金」の大きく3つに分けられます

 

さらに、電力量料金の中には「燃料費調整単価」という要素も含まれます。

 

基本的には、電気代はこのような4つの項目によって成り立っているのです。

 

では、次に、4つの項目それぞれについて簡単にご説明します。

 

基本料金とは

電気代の基本料金とは、ガス代や携帯電話代などと同じように、

使用量に関わらず発生する固定料金です。

電気をまったく使用しない場合(入居前など)には、半額となります。

電力会社や料金メニューによって基本料金単価が異なります。

 

電力量料金とは

電気の使用量に応じて変動する料金で、

電力量料金単価に使用量をかけて算出するため、

電気をたくさん使うほど高額になります。

電力会社や料金メニューによって電力量料金単価が異なります。

 

燃料費調整単価とは

燃料費調整単価とは、

電力会社が発電する燃料の価格変動を反映させたものです。

 

石炭や石油、天然ガス(LNG)といった燃料は、常に価格が変動します。

この価格の変動は、世界の情勢などの影響を強く受け、

電力会社の経営努力とは関係なく起こるものです。

 

そのため、電力会社がいくら努力しても、

世界情勢などによって石炭や石油、LNGの価格が上がると、

経営がうまくいかなくなってしまうかもしれません。

 

そこで、こうした燃料コストの変動を反映するための要素が、

燃料費調整単価です。

 

このような背景から、

燃料費調整単価は電力会社によって異なり、

同時に、毎月変わります。

 

再エネ賦課金

再エネ賦課金は、

正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という長い名前です。

 

これは、

太陽光や風力といった再生可能エネルギーが発電した電気を

国が買い取る際の原資に充てられます

 

固定価格買取(FIT)制度では、

太陽光発電などによる発電量を固定価格で

10〜20年間に買い取ることが定められています。

 

この買取料金を支えているのが、再エネ賦課金なのです。

 

再エネ賦課金は、国によって年度ごとに単価が見直され、

2021年度は1キロワットアワーあたり3.36円でしたが、

2022年度には3.45円に上がることが決定しています

 

(参考:資源エネルギー庁『再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2022年度以降の買取価格・賦課金単価等を決定します』)

 

 

最近の電気代の値上がりの原因は?

 

「このところ、電気代は全国的に上昇する傾向にある」というニュースを耳にしたことがある方もいるでしょう。

 

では、なぜ電気代が上がるのかを、

先ほどの電気代の構成要素をもとにご説明します

 

電気代を構成する要素の中でも、

燃料費調整単価は毎月変わるとお伝えしました。

 

つまり、燃料コストが安いときには、

燃料費調整単価はマイナスとなり、

実質的には電気代が値引きされているのと同様になります。

 

一方で、燃料コストが高いときには

燃料費調整単価はプラスとなるため、

電気代の値上がりにつながるのです。

 

続いて、直近1年間の燃料費調整単価が

どのような値動きだったかをお示しします。

 

出典)一般送配電事業者各社HPより筆者作成

 

上のグラフは、2021年4月から2022年4月までの13ヶ月にわたって、

燃料費調整単価の推移を表したものです。

 

北海道電力から沖縄電力に至るまで、

全国で単価が上がり続けていることがわかります

 

試しに、今年と昨年の4月の単価を比較してみましょう。

 

関西電力の単価を例に挙げると、

2021年4月は-1.16円/kWhだったのが2022年4月には3.02円/kWhと、

1年あまりで4.18円も値上がりしています

 

標準的な家庭が1ヶ月間に使う電気の量を260kWhだと仮定すると、

昨年と今年の4月では、燃料費調整額だけで

1,086円も電気代が上がっていることになるのです。

 

もちろん電気代が上がる原因は、

燃料費調整単価の他にもさまざまなものがあります。

 

単純に、電気を使う量が増えても電気代は上がります。

 

電気代が上がった本当の原因を突き止めるには、

電気代の請求書や検針票をしっかりと見比べる必要がありますが、

燃料費調整単価が及ぼす影響は小さくないと言えるでしょう

 

電気代はこれからも上がり続ける?

 

このように、電気代が上がっている原因の一つには、

燃料費調整単価の値上がりがあることがわかりました。

 

燃料費調整単価は、先ほどご説明した通り、

石炭や石油、LNGの調達コストを反映したものです。

 

つまり、こうした燃料の価格が下がらなければ、

燃料費調整単価は今後も上がる可能性が否定できないのです。

 

ガソリン代も高い価格で推移している今、

燃料費調整単価が急に下がることは考えにくいのではないでしょうか。

 

また、2022年5月検針分の電気代からは、

エネ賦課金の単価が3.45円/kWhに上がります

 

家計にとっては

これからも厳しい状況がしばらく続くと考えた方が良いでしょう。

 

私たちにできる電気代の高騰対策は?

 

電気代を少しでも抑えるために私たちがすべきことは、

なんといっても省エネです。

 

これからの季節は、暖房を使うことは減ると思われますが、

照明をつけっぱなしにしていないか、

冷蔵庫に物を詰め込みすぎていないかなどに注意を払うようにしましょう

 

LED照明や省エネタイプの冷蔵庫、

テレビなどへの買い替えも省エネにつながります。

家電を買い換える予定のある方は、

ぜひ省エネタイプの機器も検討してみてくださいね

 

省エネについては、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。

冬の暖房だけでなく、照明や冷蔵庫の省エネについてもご紹介しています。

(リンク:冬のおうち時間、快適さをあきらめない省エネのコツ – ロスゼロ

 

 

 

家計に直結する電気代の高騰。

いつまで続くかわからない不透明な状況に

不安を感じる方もいるかもしれません。

 

まずは、身近な省エネからスタートし、

電気を使う量そのものを削減する工夫を実践してみましょう

 

電気代が今後どうなっていくのかについては、

ロスゼロブログでも引き続き情報発信していきますので、

ぜひチェックしてみてくださいね

 

 

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サステナブルライター山下 略歴

電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。

【実績】「RE JOURNAL(VOL.02)」「SOLAR JOURNAL(VOL.33)」「情報誌グローバルネット 2020年4月号」ほか

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