スタートアップ企業が活躍する、世界の食品ロス対策



こんにちは、サステナブルライターの山下です。

 

新型コロナによる影響で、

世界中で食品ロスが大きな問題になっています。

生産地では食品が余っているのに、

消費者のもとまで届かない状態です。

イギリスでは、生産された野菜や果物の

約4割が廃棄されていると推定されています。

 

FruProは、この問題を解決策するべく立ち上がったスタートアップ企業です。

解決のカギを握るのは、彼らが開発したアプリ。

このアプリによって、

わずか2日間で約50万人に食品を届けることができるようになる

と期待されています。

 

画期的なFruProアプリとは、いったいどのようなものなのでしょうか?

今回は、食品ロスの新たなソリューションについてご紹介します。

 

2日間で50万人に食品を流通させるFruProとは?

 

(出典:FruPro)

 

FruProアプリとは、

ロンドン西部を拠点とするスタートアップ企業FruProが開発した、

スマートフォンで簡単に利用できるアプリです。

 

もともとFruProアプリは新型コロナ以前に開発されていましたが、

今回のパンデミックを受け非営利のサービスとして再リリースしました。

 

通常ならば、生産者は卸業者などに生産品を卸します。

ところが、新型コロナによる流通の混乱によって、

流通の途中で食品が倉庫に眠ったまま

傷んでしまうケースが増えてしまいました。

 

そこで、FruProアプリでは、

生産者と小売店が直接連絡を取り合えるプラットフォームを作り出しました。

流通工程をショートカットし、

食品を必要としている小売店のメッセージが

生産者にダイレクトに届くようにしたのです。

 

生産者と小売店のやり取りを可能にするプラットフォーム

 

FruProがターゲットとしたのは、

スーパーマーケットではなく独立系の小売店や慈善団体。

 

比較的小規模の八百屋や果物屋などは、

食品の仕入れルートがそれほど複雑ではないという特徴があります。

FruProはこの特徴に着目し、もっともスピーディに

食品ロスの削減ができる方法を編み出しました。

 

FruProアプリは企業向けで、

生産者や小売店だけでなく、輸入業者や流通業者なども登録できます。

 

アプリ内の「FruProfile」に自社のプロフィールを入力すると、

ほかの登録メンバーに生産品の内容や、

どんな産品を必要としているのかが公開されます。

 

生産者から食品を購入したい場合には、

アプリ上で直接連絡をとることができます。

 

また、出荷された食品が今どこにあるかも地図上に表示され、

予想到着時刻も通知されるわかりやすい仕組みになっています。

 

目指すのは流通システムの透明化

 

コロナ禍において、

イギリスの老舗野菜店であるレイノルズは、

FruProアプリを利用して180トンの食品を小売店や卸業者などに販売しました

 

従来どおりの流通方法では食品ロスになっていたはずの大量の食品。

FruProアプリによって、必要としている人々の手に届けることができ、

FruProは高く評価されました。

 

FruProが目指すのは、消費者と生産者を結び付け、

流通システムをわかりやすく透明化することです

 

さまざまな変化の激しい現在、食事や買い物、

環境に対するあり方をイノベートしなければならないというのが、

FruProのポリシーです。

 

FruPro国際版のリリースも計画中?!

 

FruProアプリがリリースされた2019年時点では、

アプリは有料で提供される予定でした。

しかし、新型コロナによる影響を考え、

より多くの人にアプリを使ってもらうために

現在は無料での提供を行っています。

 

今後は、イギリスだけでなく国際版のリリースを目指して開発を続けています

マイクロソフトと戦略的パートナーシップを結んでいる

Agrimetricsと協力し、AIを搭載したアプリにアップデート中とのこと。

食品ロス削減に大きく貢献する

FruProアプリの進化にこれからも注目したいですね。

 

(参照:https://www.frupro.com/

 

イノベーションの力で食品ロスの削減を

 

AIを活用した食品ロスの削減に関しては、

FruProのほかにも多くのスタートアップが活躍しています

 

例えば、同じくイギリスのスタートアップWinnowは、

外食産業などへAIを搭載したカメラを導入し、

調理中の食品ロスの発生を抑制しています

 

Winnowのサービスは、

調理くずなどを捨てるゴミ箱の上にAIカメラを設置し、

捨てられた食品の写真と重さを自動で記録するというもの。

 

AIがデータを分析し、定期的に食品ロスの重量や価値、

環境への影響などをレポートで知らせてくれます。

 

食品ロスを減らすだけでなく、

人為的なミスによる廃棄も削減できる優れものです。

 

(出典:Winnow)

 

Winnowによって食品ロスを約50%も削減できるケースも確認されています。

 

また、ロスが減ることで食品の調達コストも2~8%改善されるとのこと。

 

採用した企業は、日本でも有名な

ノルウェーのIKEAやドバイのヒルトンホテルなどです。

 

現在、Winnowのサービスは40ヶ国以上、

1,000ヶ所を超える業務用キッチンで利用されています。

 

ちなみに、Winnowの機能紹介ウェブサイトには日本語版もありますので、

ぜひ下記リンクからチェックしてみてくださいね。

(参照:https://www.winnowsolutions.com/ja/)

 

また、オランダのOrbiskも

スマートカメラによる食品ロスの削減に取り組んでいます。

 

Orbiskの導入はとても簡単で、

レストランやホテル、カフェなどの厨房に

カメラ付きのモニターを設置するだけです。

 

カメラが自動で廃棄された食品の記録、

分析を行い、毎週レポートで報告してくれます。

 

このレポートをもとに、食品ロスがどこで発生しているのか、

どういう傾向があるかなどを把握できます。

 

(出典:Orbisk)

 

食品ロスを直接的に減らすだけでなく、

材料の調達を見直すのにも役立つことから、

Orbiskはいろいろな機関から表彰を受けています。

 

2020年11月には、Orbiskは消費財世界大手の

ユニリーバ・フードソリューションと

食品ロス削減のためのパートナーシップを結びました

 

ユニリーバは、2025年までに食品ロスを半減させるという

Future Foods Ambition」を掲げています。

そこで、食品ロス削減のスタートアップであるOrbiskとタッグを組んだのです。

 

イノベーションの力で食品ロスをなくす取り組みが、

世界ではすでにスタートしています。

 

(参照:https://orbisk.com/en/)

 

 

テクノロジーを利用して無理なくムダをなくそう

 

 

今回は、斬新なアイディアや

AIテクノロジーを活用して

食品ロスを減らす取り組みを3つご紹介しました。

 

便利なアプリやスマートカメラなどを活用し、

無理なくムダをなくせる素晴らしいアクションではないでしょうか。

今後、こうした取り組みがさらに普及し、

いろいろな場面で発生している

食品ロス問題の解決につながることを期待したいと思います。

 

【山下ブログ】

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正しく理解しよう! 「食料自給率」と「エネルギー自給率」のお話

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サステナブルライター山下 略歴

電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。

【実績】「RE JOURNAL(VOL.02)」「SOLAR JOURNAL(VOL.33)」「情報誌グローバルネット 2020年4月号」ほか

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