こんにちは、サステナブルライターの山下です。
私事ですが、最近コンポストを使い始めました。
始める前に想像していたよりも簡単に使えるし、
何より生ごみの量が劇的に減って驚いています!
使い始めてからまだ日が浅いのですが、
今まででわかったことをお伝えしたいと思います。
コンポストとは?
そもそもコンポストとは、
英語で「堆肥」という意味のcompostを語源とするもので、
生ごみなどの有機物を堆肥に変えるものを指すことが一般的です。
堆肥に変えるもの、という意味から
「コンポスター」と呼ばれることもあるようです。
ちなみに、英語では「composting(コンポスト化)」といいます。
コンポストは、微生物の力を使って、
生ごみなどを堆肥に変えていきます。
生ごみだけでなく、
落ち葉や下水汚泥、家畜の排泄物や農作物の廃棄物などを
堆肥にすることもでき、
ごみの削減手段のひとつとして活用されています。
では、具体的にどうやって堆肥を作るのかというと
微生物の「好気性発酵」というはたらきを利用します。
好気性発酵とは、
酸素がある状態を好む好気性微生物の分解によって、
私たちにとって役立つものが生産されることです。
反対に、私たちにとっては役に立たないものが
作られることを「腐敗」といいます。
学校の授業で習ったことを覚えている方もいるかもしれません。
初心者におすすめのコンポストキット
コンポストを始めたいと思った方におすすめしたいのが
市販のコンポストキットです。
最近は、容器やコンポスト基材などが
セットになったコンポストキットが販売されているので、
このキットを購入すれば、
すぐにコンポストを始めることができて便利です。
もちろん、キットを買わなくても、
段ボールなどを使ってコンポスト容器を作ることもできますが
コンポスト基材は購入する必要があるでしょう。
私が購入したコンポストキットには、
コンポスト容器、段ボールの底板、コンポスト基材が含まれていました。
そのため、スコップと台を新しく購入するだけで、
コンポストをスタートすることができました。
コンポストの使い方
コンポストを使うのは、意外に簡単です。
まず、容器にコンポスト基材を入れます。
このとき、容器が満タンになるまで基材を入れてしまうと
後で混ぜるときにこぼれてしまうため、
入れる基材の量を少し調整するとよいでしょう。
次に、容器の中央にくぼみを作り、
一口大にカットした生ごみを投入します。
その上に基材をかぶせ、生ごみが表面に出ないようにします。
生ごみを入れた後は、容器のフタをしっかりしめ、
虫がつかないようにしましょう。
翌日には、前日に生ごみを入れた箇所をよく混ぜ、空気が入るようにします。
そして、また同じようにくぼみを作り、生ごみを投入すればOKです。
基本的には、これを毎日繰り返すだけ。
入れた生ごみが熟成し始める2〜3ヶ月後までは、
この2ステップを毎日行います。
実は、毎日というのがポイントで、
微生物が活動するには新鮮な酸素が必要なため、
毎日混ぜてあげなくてはならないのです。
混ぜるときには、スコップを立てるようにすると、
容器の底の方にまでしっかり空気が行き届くようになります。
コンポストを置く場所は、風通しのいい屋外が適しています。
マンションなどであれば、
ベランダの雨が当たらない場所に置くといいのではないでしょうか。
コンポストに入れていいものは?
コンポストに入れてよい生ごみは、
野菜や果物の皮、卵の殻、
肉や魚とその骨、茶葉やコーヒーかすなどさまざまです。
また、食べ残しや傷んだ食品なども入れることができます。
適量の油や糖分は、微生物の活動を活発にしてくれるといいます。
しかし、貝殻や栗・タケノコ・トウモロコシの皮などは
入れることができません。
コンポストで作った堆肥を家庭菜園に使うのであれば、
落ち葉や生花、雑草などを入れるのも控えた方がいいでしょう。
コンポストに生ごみを投入するときに気をつけたいのが、
まず、なるべく小さく切ること。
一口大にカットすればOKです。
また、シールやラベル、輪ゴムなどはしっかり取り除いておきましょう。
このように、コンポストには
すべての生ごみを投入できるわけではありませんが
かなりの量の生ごみを減らすのに役立ちます。
コンポストを始めたメリット
我が家では、コンポストを始めたことで、
ごみの量だけでなく重さがかなり削減されました。
ゴミ袋を持ったときに、あまりの軽さにびっくりしてしまったほど。
毎日出るごみのうち、
生ごみが相当な量を占めているんだなと
改めて実感することができました。
実は、生ごみの70〜80パーセントは水分なのです。
この生ごみに含まれる水分は、
重たいだけでなく、ごみ処理の際の燃焼を妨げると
考えられています。
焚き火などでも、水分の多い薪は燃えにくく、
よく乾燥した薪は燃えやすいのと同じですよね。
そのため、家庭のコンポストによって生ごみが減れば、
ごみ処理の負担も大きく削減されるといえるでしょう。
自治体によるごみ処理は、私たちの税金によって行われています。
その意味で、家庭からのごみを減らすことは、
巡り巡って私たちの負担を減らすことにもつながっているのです。
家庭のコンポストの課題とは?
家庭でのコンポストの課題として考えられるのは、
うまく堆肥化できないという失敗でしょう。
水分のバランスがよくなかったり、
酸素がうまく行き渡らなかったりすると、
堆肥化の逆で腐敗してしまい、
悪臭が発生することがあるようです。
私もまだ始めたばかりなのですが、
毎日欠かさず混ぜたり、
生ごみの水分を適度に切ったりしています。
今のところ、気になる臭いはありません。
一方で、家庭ごみを堆肥化し、
肥料として販売するケースなどでは、
堆肥の質を保つのに苦労することがあるようです。
気軽に始めたけど、意外に簡単だった
コンポストを始めてわかったことは、
思ったより簡単だということ。
そして、毎日、こんなにたくさんの生ごみが出ていたんだということでした。
特に、最近は外食することが減り、
ほぼ毎日自宅で食事をするため、
生ごみの量も増えがちなのではないでしょうか。
我が家の堆肥が熟成するのは、
まだ少し先のことですが、
堆肥ができあがったら家庭菜園にもチャレンジしてみたいと思います。
コンポストの経過報告についても、
またロスゼロブログでお伝えできたらと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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サステナブルライター山下 略歴
電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。
【実績】「RE JOURNAL(VOL.02)」「SOLAR JOURNAL(VOL.33)」「情報誌グローバルネット 2020年4月号」ほか
【Facebook】
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ロスゼロは、食品加工メーカーで様々な原因によって発生する
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次の笑顔へつなげる取り組みを行っています。
また、ロスゼロはSDGs12番「つくる責任・つかう責任」を
メインとして取り組んでいます。
投稿者プロフィール



- 電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。
----------【監修者:文 美月】----------
株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は長風呂。
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