こんにちは!学生インターンの西村です!
先日、自宅に市から一枚のお知らせが届きました。
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「プラスチック製容器包装分別収集のお知らせ」です。
現在、私の暮らす街では、プラゴミは
「燃やすごみ」として紙ごみや
生ゴミと一緒に回収されていますが、
来年度から分別回収が始まるそうです。
ゴミ出しのルールは自治体ごとに異なりますが、
みなさんの街ではどうでしょうか?
(調べてみたところ、令和2年度の時点で
1390/1741市町村(79.8%)が
プラスチック製容器包装の
分別収集を行っているそうです。
(容器包装リサイクル法に基づく令和2年度以降の分別収集見込量の集計結果について|環境省))
うんうん、リサイクル大事だよね。
でも、このチラシを見ながら、
すごく単純な疑問がいくつかわいてきました。
プラスチックってどうやってリサイクルされるの?
結局何に生まれ変わるの?
プラ容器って言っても材質がいろいろあると思うけど、
それはひとまとめで集めて不都合はないの?
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なんとなく浮かんできた疑問を解消するために、
プラスチック製容器包装のリサイクルについて
基本のきから調べてみました。
プラスチック製容器包装って何?
まず、プラスチック製容器包装とは、
「中身の商品を取り出したり使ったりした後に
不要となる商品の容器や包装で、
プラスチック製のもの」を指す名前です。
プラスチック製容器包装には、
目印としてプラマークが入っています。
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さて、ここで復習問題です!
次の商品のうち、プラマークをつけることが
義務付けられているのはどれでしょうか。
- プラスチック製のクリアファイル
- テイクアウト用のプラスチック製弁当容器
- 飲料のPETボトル
(プラスチック容器包装リサイクル推進協議会ホームページより)
…わかりますか?
私は、最初この問題を見たとき
「えっ…全部そうじゃないの…?」と思いました。
正解はBです!
Aはクリアファイルそのものが商品なので不正解です。
Cはプラマークではなく
PETボトルのマークをつけることが
義務付けられています。
(キャップとラベルはプラマークです!)
プラマークはあくまでプラスチック容器包装に
つけられるマークなんですね。
プラスチック製品につけられるマークだと、
私はずっと思っていました…!
そう意識しながら周りを見渡してみると、
面白いほどいたるところでプラマークを見つけられます!
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プラスチック製容器包装の量はどれくらい?
わざわざ分類して回収するくらいですから、量は多いです。
日本全体のプラスチック廃棄物量が850万トン、
そのうち容器・包装等/コンテナ類が
397万トンで、約46.8%でした。
(プラスチックリサイクルの基礎知識2021|プラスチック循環利用協会)
実は、人口当たりのプラスチック容器包装の排気量は、
日本はアメリカに次いで多いのです。
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(UNEP (2018). SINGLE-USE PLASTICS: A Roadmap for Sustainability (Rev. ed., pp. vi; 6).)
たった一度の使用でゴミになってしまう、
様々な商品のパッケージやカバーや容器の数々。
減らしていきたいですね。
プラスチック製容器包装はどうやってリサイクルされるの?
廃プラスチックのリサイクル方は、
大きく次の三つに分けられます。
①マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、
廃プラスチックをプラスチックのまま
原料として使用し、
新しい製品を作るリサイクル法です。
材質が揃った産業系廃プラスチックや
ペットボトルなどはこの方法でリサイクルできます。
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(プラスチックリサイクルの基礎知識2021|プラスチック循環利用協会)
②ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを、
化学的にプラスチックを合成する
途中段階まで戻してリサイクルする方法です。
一旦モノマーやコークス、合成ガスなど
プラスチックという素材ではない状態にして再利用します。
③サーマルリサイクル
サーマルリサイクルは、廃プラスチックを
燃やして発生した熱エネルギーを
回収して利用する方法です。
焼却発電や焼却熱を温水プールや
温室の熱源として利用したりしています。
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(プラスチックリサイクルの基礎知識2021|プラスチック循環利用協会)
日本で産業部門以外から排出される
廃プラスチックのリサイクル内訳は、
以下のようになっています。
(プラスチックとリサイクル 8つの「?」|プラスチック循環利用協会)
サーマルリサイクルが最も多くなっています。
サーマルリサイクルについて調べた時、
これはリサイクルと言えるのか少し疑問に思いました。
ただの焼却処分と変わらないじゃないか。
もちろんそのまま埋め立てるよりは
焼却する方が環境への影響は軽くなりますし、
焼却するならただ焼却するよりも
その熱まで利用した方がいいですが、
これはただの可燃ゴミと同じではないのでしょうか?
しかしこれも廃プラスチックを
有効活用する方法の1つなのです。
リサイクル自体にもエネルギーや資源が必要です。
リサイクルを行う際には、
そのリサイクルによってエネルギーや資源が
どれくらい削減されるのか、
製品の流れ全体を見て判断する必要があります。
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(プラスチックとリサイクル 8つの「?」|プラスチック循環利用協会)
その中で、一見「ただの焼却じゃん!」と思えても、
それは合理的な処置なのだと私は納得できました。
ただ、これをリサイクルと言ってしまうのは、
やはり違うのではないかとも思います。
日本のプラスチック有効利用率は
84%とされていますが、
これはサーマルリサイクルも含めた値です。
一方で、EUではリサイクルは
ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルだけを含み、
サーマルリサイクルは「エネルギー回収」
として別口で計算されています。
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(Plastics the Facts 2020 |Plastics Europe)
全てをひとまとめにすることで、
リサイクル率がとても高いように思えてしまい、
「これだけリサイクルしてるなら、
別に減らさなくてもいいじゃん」という気持ちに
なってしまうこともあるのではないでしょうか。
高いリサイクル率に安易に安心してしまわない
ためにも、きちんと分けて考えたいと思いました。
(環境省の資料では別記載でした。
情報元によって表記に揺れがあるため、
そのデータが何を示しているのか、
しっかり判断することが必要だと思います。)
リサイクルについてお話ししてきましたが、
リサイクル自体にも多大なエネルギーが必要です。
まずはリデュースとリユースに
しっかり取り組むことが大事ですね。
プラスチックの使用に意識的になること
最後に、プラスチック容器について
私が最近自分の生活の中であった
出来事を書きたいと思います。
先日、以前から気になっていたお店で
野菜スムージーを初めて購入しました。
カウンターに黄、紫、赤、緑とスムージーの入った
ジューサーが並んでいて、もう目に鮮やか。
注文すると、さらに野菜やフルーツを加えて
その場で作ってくれます。
とても美味しく、ズゴゴっと一息で飲んでしまいました。
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ただ、一つ残念だったのが、
提供がプラスチックカップとストローだったことです。
私も購入する時は全く容器のことなど頭になく、
飲み終えて手に残ったカップを見て
ハッとしました。
せっかく自然志向で
体に良い商品を提供しているのだから、
環境にも良いような形で
商売ができたらもっといいのに。
…それを言うなら、私だって、
自分のカップや水筒を持って行って
「これに入れてもらえますか?」と聞いてみたり、
「容器の回収&再使用(デポジット制)
とかしないんですか?」と
提案したりするべきだったんじゃない?
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(Deposit refund system could save councils £35 million a year |SURFERS AGAINST SEWAGE)
環境により良い選択をしようというけれど、
実際に自分ごととして行動するには練習が必要です。
なぜなら、人間、今まで意識していなかったものは
目に入らないし、やっていなかったことは
思いつかないからです。
生活スタイルを変えるのが大変とか、
めんどくさいとかそれ以前に、
そのことに思い至らないんです。
私がスムージーを買った後で気づいたように。
でも、「もっとこうすればよかった…!」と
ハッとした気持ちを忘れないで積み重ねることで、
より早く、より広い範囲で、
いろいろなことに気づけるようになるはず。
もっと積極的に、環境に良い選択ができるようになりたい
と思いました。
最後までお読みくださりありがとうございました!
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投稿者プロフィール
- 獣医学を学ぶ大学院生インターンの西村です。学びを活かし、専門性のある情報をお届けします。
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