ロスゼロブログ

カテゴリ一覧

ペットフードの食品ロスに対する取り組み

公開日: 更新日:2023.06.28
ペットフードの食品ロスに対する取り組み

 

こんにちは、中澤です。

 

最近、人間の食べ物に関する食品ロスへの取り組みがあるのならば、ペットフードに関しても何か取り組みがあるのではないかと疑問に感じました。

そこで、今回はペットフードの食品ロスに関する取り組みについて海外の取り組みを中心に紹介したいと思います

現在、犬や猫などのペットを飼っている方はもちろんですが、ペットを飼っていない方が読んでもおもしろい内容になっているので、ぜひ読んでみてください。

 

 

ペットフードの材料に関する取り組み

ペットフードがペットを飼っている人々の元に届く前の取り組みについて紹介します。

主に原料に関する取り組みについて紹介していきます。

ペットフードの食品ロスを削減するというよりも、人の食品ロスをペットフードの製造に活用しているという取り組みが多いのですが、ペットフードの原材料について考える機会にもなると思うので、確認してみてください。

 

 

規格外野菜を活用

規格外の人参

https://www.photo-ac.com

 

食品ロスを減らすために、dianapetfoodという海外の企業では規格外野菜・果物をペットフードの材料に使用しています。

規格外野菜とは、JAが規定する大きさ、色、形などが満たしていないだけで、栄養成分には問題がないたので、使用することでペットの健康のためになりますよね。

How to add value to pet food upcycling - Appetizer - Diana Pet Food

 

規格外野菜については、こちらのブログで詳しく紹介しているのでご覧ください。

規格外野菜って?何の規格?食べられる?食べられない?

畑で生まれる“隠れ食品ロス”とは? 私たちの知らない農業のお話

 

もちろん、日本にも規格外野菜をペットフードの材料として用いている企業はあります。

信州わんにゃん食工房Foodie Dogs TOKYOという企業では、規格外野菜を原料としていますが、市販のペットフードのように、大量生産しているわけではないので、消費者には届きづらい現状があるのかもしれません。

 

また、PETOKOTOという企業では、規格外のさつまいもをドッグフードに活用しており、販売に関しても量をペットの消費量に応じて対応していく方針を取っています。

 

家畜の飼料の原料として、規格外野菜や余剰食品を用いているエコフィードと似た考え方だと思います。

 

エコフィードについては、こちらの記事で詳しく説明しているので、確認してみてください。

畜産を知ろう!②国産牛のエサはどこ産?食料自給率やフードウェイストとのつながり

 

 

動物の毛を利用

 

インドでは、人間の髪の毛や羊毛、家禽の羽などを肥料やペットフード、動物飼料にする技術も開発されているようです。

毛に含まれるタンパク質とアミノ酸を活かして、製品を作ろうという試みです。

野菜の皮や脂身の部分を食べずに捨ててしまうことを勿体無いと考えるならば、動物の毛の活用についても考えてみてもよいかもしれません。

New technology developed to covert keratin waste to pet food and fertilizers | Science-Environment

 

 

昆虫を活用

南アフリカでは、ハエをペットフードのタンパク源として利用しているところがあります。

近くの醸造所で使用した後の穀物をハエの幼虫に食べさせて成長させて、タンパク質を生産するという方法です。

現在は、鳥の餌として使用されたりドッグフードの原料として活用されているようです。

The South African farm turning flies into food for pets - and maybe people

 

同じような試みはヨーロッパでも実施されており、2021年9月にEUでは、昆虫のタンパク質を家禽や豚の飼料として使用して良いという許可する法律が施行されました。

腐った野菜や果物を虫に与えることで、成長した虫からタンパク質を獲得するという方法です。

現時点では、大豆や魚を原料とした商品の方が安いため、虫が原料の商品の普及には時間がかかる可能性が高いです。

The EU lets farm animals and people eat insects

 

タンパク質を昆虫からとるという考え方に関しては、日本でもイナゴやスズメバチを食べる習慣が残っていますよね。

また、家の中で猫を飼っている方は、猫が家の中の虫をハンティングしているところをみたことのある人も多いと思います。

日本でも昆虫が原料となっているペットフードが販売されているので、チェックしてみてくださいね。

猫が昆虫を捕まえようとしている

 

 

流通から届いた後の取り組み

ペットフードがペットを飼っている人々の元に届いたあとの取り組みについて紹介します。

 

ECサイト「cocoro」では、賞味期限が近いけれども安全に消費できるペットフードや外装の傷やデザインの変更のために廃棄する予定だったペット用品をお手頃な値段で販売しています。

株式会社こころ(cocoro.inc)|ペットフードロス削減|日本

 

バイオフィリアというドッグフードなどを製造・販売している会社では、病気やなんらかの理由で余ってしまったペットフードを飼い主から回収して動物愛護団体に寄付するという活動をしています。

また、八王子市ではアニマル版のフードバンクを設置しており、不要になったペットフードを集める活動をしています。

WAN I NYARU(ワニニャル) food project | 獣医師監修の手作りドッグフード【公式】ココグルメ

アニマル版フードバンクを始めました!

 

また、名古屋の動物霊園では、ペットフードを一定期間お供えした後に、動物愛護団体に寄付する取り組みをしているそうです。

“お供え物”のペットフードに“次の役割”を 女子中学生が企画・提案し“食品ロス”削減の取り組み実施 名古屋・南区(中京テレビNEWS)

 

 

 

最後に

以上のように、原材料の製造に食品廃棄物を利用したり、流通の過程で傷がついて廃棄されてしまう予定だった商品を販売したりと様々な工夫を企業や団体でしていることがわかりました。

 

個人としても、初めて食べさせるペットフードは大容量のものを買わないことや原料に規格外野菜を使っているペットフードを買ってみるなどできることはたくさんあると思います。

ぜひ、できることがあれば試してみてください。

 

 

 

ロスゼロブログ一覧へ