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世界の食品ロスシリーズ ~ミャンマーの現状~

公開日: 更新日:2023.06.28
世界の食品ロスシリーズ ~ミャンマーの現状~

こんにちは、中澤です。

 

最近、ミャンマーのニュースで、ニュースで道端にトマトや他の野菜が捨てられている写真を見つけました。

そして、ミャンマーでは食品ロスに関してどんな問題や取り組みが行われているか気になりました。

 

そこで、ミャンマーで現在起きている食品ロスの問題とこれまでのミャンマーで行われていた食品ロスへの取り組みについて紹介したいと思います。

 

日本と似ている部分もあるので、ぜひ読んでみてください。

 

インレー地方の畑作農民は再び損をしているのか

 

 

ミャンマーで現在起きている食品ロスの問題

トマト

 

現在、ミャンマーでは、日本と同じく新型コロナウイルス感染症が流行しています。

結果として、交通規制により流通が止まってしまったり市場の閉鎖が発生したりしているため、作物の値段が低下しています。

 

農民たちは、農作物を販売しても、運送費などを考えると赤字になってしまうため、道路にトマトなどの農作物を捨ててしまっているのです。

 

日本でも新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店に販売する予定であった野菜や畜産物が余ってしまう、という問題がありました。

 

ですが、クラウドファンディングの活用や小学校の給食として消費されるなど、様々な対応策を講じていました。

 

しかし、日本とは違いミャンマーで学校給食を提供する学校は少ないです。

 

さらに、日本よりも国土が広く、都市間の移動も制限されているため、クラウドファンディングなどによって、他の消費者に野菜を届けるのは難しいのかもしれません。

 

さらに、今回、野菜が捨てられていたインレー地方(ミャンマーの東部)の一部では、他の地域と比べても、野菜の栽培コストが高いため、他の地域に送ることが難しいようです。

 

 

ミャンマーで行われている食品ロスへの取り組み

生ごみがバケツに入っている

https://www.photo-ac.com/main/detail/22111021?title=%E3%83%90%E3%82%B1%E3%83%84%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%81%84%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%82%B4%E3%83%9F%E3%80%80%E5%A0%86%E8%82%A5%E4%BD%9C%E3%82%8A1&searchId=2730419037#

 

ミャンマーでは、食品ロスに対する取り組みとして、食品廃棄物を有機堆肥にする活動をしているBokashi Myanmarと言う団体があります。

 

Inda Aung Soeという人が中心になっており、妻のAye Aye Thanと共に活動をしています。

 

Inda Aung Soeは、TED Talkでも、食品廃棄物がゴミではないことについて話しています。

 

実際に、食料廃棄物を有機堆肥にする場面も動画で確認できるので、ぜひ確認してみてください。

 

Organic Waste is Not Trash! | Inda Aung Soe | TEDxYangon

The FOOD WASTE MAN (Myanmar)

Making bokashi!

 

From food waste to fertilizer: Myanmar environmentalist shows how it's done

 

 

具体的な活動としては、自宅の近くにある市場の腐った肉、魚、野菜などの食料廃棄物を集めて、数ヶ月かけて有機堆肥に変える活動をしています。

 

2年で約500キロの肥料を製造して、主に家庭菜園や庭で使用する肥料として、販売しています。

 

On a mission to turn Yangon’s food waste into organic soil

 

ミャンマーの大都市の1つであるヤンゴンでは、毎日2500~3000トンのゴミがでており、そのうちの75%が、有機性廃棄物となっています。

特に、夏には腐敗が進み、匂いもきついくなるらしいです。

 

Bokashi Myanmar – Organic waste is not trash!

 

実際に、様々な場所での活用が想定されており、家庭、レストラン、ホテル、学校、生鮮市場など食料廃棄物が発生しやすい場所に向けて、販売を促進していく予定らしいです。

 

従来ミャンマーでは、収穫後の農作物の取扱いの技術の向上により、食品ロスを減らすという考え方がある中で、大都市で発生した食料廃棄物を肥料に変えるという考え方を普及させようとしているのは、新しいのではないかと私は感じました。

 

日本でも、食料廃棄物を飼料にしたり、肥料にしたりする仕組みはあります。

しかし、リサイクル率の高い国と比べると伸びしろがあるので、リサイクル率が伸びて欲しいです。

 

日本の食料のマテリアルフロー | 中学生・高校生・市民のための環境リサイクル学習ホームページ

世界のごみ焼却ランキング 3位はデンマーク、2位はノルウェー、日本は?(井出留美) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

 

一方で、

もう一つの従来からの課題であった流通の近代化を解決する前に、新型コロナウイルス感染症が拡大してしまったために、生産地から大都市への流通のコストが高くなってしまい、結果として、野菜を道端に捨てざるを得ない事態に陥ったとも感じました。

 

ミャンマーにおける フードバリューチェーン(FVC) 構築のための工程表 (2016 年度-2020 年度)

 

特に、現在は軍事クーデターの影響による経済が混乱によって、食料が行き届いていない人々も多くいます。

国際機関からの食料支援も国軍によって阻まれており、十分に行き届いていない状況です。

 

そのため、食品ロスが起きている状況はとてもまずい状況だと思っています。

 

ミャンマーで食料不安が深刻化、数百万人が飢え直面も=国連

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000521.html

ミャンマー避難民に物資届かず 食料不足深刻、環境劣悪:時事ドットコム

 

 

まとめ

野菜の前の女の子

https://pixabay.com/ja/photos/%e6%9c%9d%e5%b8%82-%e5%ad%90%e3%81%a9%e3%82%82%e3%81%ae%e8%b2%a9%e5%a3%b2-%e3%83%9f%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%9e%e3%83%bc-2140892/

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、ミャンマーの道に捨てられている野菜と市場で捨てられている食品廃棄物を肥料にしている団体について取り上げました。

 

野菜を輸送する費用が農家の負担になるかもしれないと考えて地元の野菜を週に1度は買ってみるであったり、生ごみ処理機を家庭や職場に導入することを検討してみたりして欲しいです。

 

生ごみ処理機に関しては、助成金制度のある市町村もたくさんあるので、ぜひ検討していただきたいです。

 

 自治体の購入助成金制度検索 | PARIS PARIS CUBE

 

 

ミャンマーにおける食品ロスに関する問題と取り組みを通して、日本の食品ロスの問題を考えるきっかけになればと思っています。

 

 

 

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