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脱炭素社会の達成のために~地球の命運を分ける2050年~

公開日: 更新日:2023.07.01
脱炭素社会の達成のために~地球の命運を分ける2050年~

 

はじめまして!大阪の大学に通っている、大学生インターンの井上です!

現在、大学での食品ロスの削減を目指して、廃棄量調査や、削減のためのシステムの構築に関する研究を行っています。

 

みなさんに食品ロスや環境問題について、少しでも新しい情報をお届けできるよう、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!

 

今日は、最近ニュースや新聞でもよくとりあげられている、「脱炭素社会」についてのお話をしたいと思います。

緑と家

排出実質ゼロ、脱炭素社会とは?

・日本と世界の現状

ところで、皆さんはどうして最近日本で「脱炭素社会」が話題になっているか知っていますか?

 

それは、10月26日の菅内閣総理大臣の所信表明演説で、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」

と、発表されたからです。

 

日本はこれまで、「2050年までに80%の温室効果ガスの排出を削減する」

という目標を立てていましたが、今回の菅総理の目標はそれを大きく上回るものになりました!

これは日本にとって大きな進歩といえますね。

 

しかし、世界的に見れば、日本の対応は後れを取っているのが実情です。

 

というのも、温室効果ガスをゼロとする目標は、すでに120か国ほどが宣言しており、G7の中でも実質ゼロを発表していなかったのは、日本とアメリカのみでした。

(参考:朝日新聞 温室効果ガス「2050年ゼロ」宣言

 

そもそも温室効果ガス排出ゼロとはどのような状態なのか。

私たち人間が排出する温室効果ガスが、森林などが吸収する量を超えないように、排出量と吸収量のバランスを上手にとる、ということです。

 

そして、そうしたバランスがとれるような仕組みを持った社会のことを脱炭素社会といいます。

(出典:環境省

 

木にcarbon Neutralと書いてある

・脱炭素社会が求められている理由

では、どうして2050年という目安が生まれたのでしょうか。

 

それは、2050年が今後の地球の運命を大きく左右する境になりうるからです。

IPCCの1.5度特別報告書によれば、世界の平均気温は産業革命前と比較すると、すでに人間の活動によっておよそ1.0度上昇したと言われています。

 

このまま、人間が今まで通りの活動を続けると世界の平均気温はますます上昇し、世界的にも異常気象や海面上昇、熱波など私たち人間や動物の生存に大きくかかわる問題が多発しかねません。

 

こうした未来を防ぐためにパリ協定では世界の平均気温の上昇を1.5度、また少なくとも2.0度に抑えるという目標を立てました。

 

そして、その1.5度の目標を達成するために必要なのが2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることなのです。

 

また、2.0度に抑えるには2075年までの実質ゼロ化が求められていますが、平均気温の上昇が1.5度か2.0度かで、地球環境に与える影響は大きく異なります。

 

温度上昇による影響

(出典:WWFジャパン

 

そのため、世界各国は2050年までの実質ゼロ化を目標にしているのです。

(SDGs 13:気候変動に具体的な対策を

 

脱炭素化と食品廃棄

今までは脱炭素化に着目して話をしてきましたが、次は、食品廃棄とどのように関連するのかについてお話をしたいと思います。

 

一見すれば、両者がどのように関係するかわかりませんよね。

しかし、食品廃棄の削減は脱炭素社会の達成に欠かせないものなのです!

 

世界全体の温室効果ガス排出量の内訳

Food waste is responsible for 6% of global greenhouse gas emissions - Our World in Dataをもとに作成)

 

まず、前提として、世界全体で排出される温室効果ガスのうち、26%が食品を生産する際に発生します。

 

約四分の一の温室効果ガスが食品生産のために排出されていることに驚くかもしれませんが、「食」が私たちにとって必要不可欠であることを考えると、この割合にも納得できると思います。

 

私たちが本当に注目すべきなのは、「世界全体の6%の温室効果ガスは廃棄される食品を生産するために排出されている」

これを裏返せば、食品廃棄をなくすと世界全体で6%もの温室効果ガスが削減できるということ。

 

食品廃棄は温室効果ガスと密接に関わり、そして環境に大きな負荷をかけています。

しかし、大きな負荷をかけている分、改善されればかなりの進歩を遂げることができます。

 

つまり、脱炭素社会達成に向けて、食品廃棄の削減は大きな一歩となるのです。

緑の地球

私たち個人ができること

脱炭素化と聞くとあまりにスケールの大きなことで、私たち個人にとってはあまり身近に感じられないかもしれません。

しかし、日本の脱炭素化には、私たち個人の協力が欠かせません。

 

言い古されたことかもしれませんが、・使わないときは電気をこまめに消す

・車ではなく公共交通機関を利用する

・LED照明に変える

そして、先ほど説明したように

・廃棄食品を減らす

など、こうした小さなこと積み重ねていくことが脱炭素社会達成に大きく貢献するのです。

 

また、ぜひ、自分の「カーボンフットプリント」を計算してみてください。

カーボンフットプリントというのは直訳すると「炭素の足跡」で、自分が排出している温室効果ガスの量を二酸化炭素に換算し、どれほど環境に負荷をかけているかを図るための指標です。

 

実際に計算してみることで環境のために自分がなにができるのかを具体的に考えやすくなると思います。

カーボンフットプリントと食品ロス

二酸化炭素の排出量と足の大きさ

 

このように、自分の二酸化炭素の排出量が足の大きさで表示されます!

ちなみに、上の写真はわたしのカーボンフットプリントなのですが、世界目標(World Target)達成のためにわたしもまだまだ努力が必要ですね.....

この下のURLから、カーボンフットプリントを計算するサイトに飛べますので、みなさんぜひ試してみてください!

CARBON CALCULATOR

 

花びらをもつ手

まとめ

2050年までの温室効果ガスの排出の実質ゼロ化を宣言した日本の社会は、今後大きく変化していくでしょう。

 

2050年まであと30年。

「まだ30年ある」と考えるか、「もう30年しかない」と考えるか。

 

日本国民としてだけではなく、地球に暮らすものとして、他人ごとではなく自分事として真剣に環境問題について考えてみませんか?

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

 

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