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「百貨店とのコラボイベントで食品ロス削減」月刊AMJ12月号コラム掲載

公開日: 更新日:2023.07.01
「百貨店とのコラボイベントで食品ロス削減」月刊AMJ12月号コラム掲載

こんにちは、代表の文美月です。

 

月間AMJ(Aguricultural Marketing Journal)12月号にコラムを掲載していただきました。

こちらの雑誌は、農業関係者の方に広く読まれている業界誌です。

 

12月号は、「食品ロス削減月間」である10月に行われた、イベントについて触れました。

 

 

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月刊AMJ12月号寄稿 「ロスゼロチャレンジ」

百貨店とのコラボイベントで、食品ロス削減

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食品ロス削減推進法が制定され、10月が「食品ロス削減月間」となってから1年。

認知度が高いとはまだまだ言えないものの、社会からの注目は確実に大きくなっているのを感じます。

今号は、その中でロスゼロが10月に経験した象徴的なイベントについて書きます。

 

10月半ばの2週間、ロスゼロは大手百貨店とのコラボレーションとして、コロナ渦で販路を失った食品や余剰食品の販売を百貨店内のイベントスペースで行いました。

消費者はその食品を割安で購入し、食べることで食品ロスを未然に防ぐことに貢献できます。

コロナで行き先を失った商品を売っている

 

背景には、今春から夏にかけてコロナ禍により日本各地で行き場を失った食品が大量に発生したということがあります。

消費者はステイホームを機に、これらの食品を積極的に応援購入する流れが生まれました。

いわゆる「エシカル消費」ですね。

 

とはいえ小売業界で大きな影響を持ち、ブランドのある食品を定価販売する百貨店という場所で、食品ロス削減を目的とするベンチャー企業が売り場を持つことは、ある意味新しい挑戦。

「日本社会にエシカル消費のあり方を提案する」証として、お互い画期的だったと思います。

 

ロスゼロが打ち出した明確なコンセプトは、食品と共に「ロスになった理由」を大小のパネルやのぼりで明記し、単純なセールに見せないことでした。

「ロスになった理由」をそれぞれの商品に明記し、お客様に説明しながら販売することで、「食品ロス削減」のことをお客様に考えて頂く機会にしたいと考えていたからです。

食品ロスの説明

 

百貨店としては「食品ロスは、日本全体で考えていかなければならない大きな問題。

百貨店がそれに取り組むことには大きな意味がある。

ロスゼロさんと一緒に、お客様に食品ロスについて考えてもらうきっかけを作りたい」との意識を以前から持っておられて、「持続可能な社会の実現」に向け、環境に配慮した店づくりを推進し、SDGsに積極的に関わる姿勢を持っておられました。

 

なにせ初めての試みなので、イベント開催前は「本当に人が来てくれるのか?」と、お互い一抹の不安もありましたが、蓋を開けると2週間のイベントで1万3千点(個数ではなく箱単位で換算)の食品ロスを未然に防ぐことができ、大盛況に終わりました。

百貨店の場所や規模によって販売力は異なると思いますが、開催した百貨店としては、想定される売上より予想外に良い結果だったと聞いています。

 

テレビ取材を受けるロスゼロ文美月社長

 

この取り組みはテレビ局2社、新聞4社からの取材、ラジオ1局出演、ヤフーニュース掲載など、メディアからも大きな注目を集めました。

 

多くのお客様が「えっ、これのどこが捨てられる理由になるの?」

「600万tも捨てているとは」

「食品ロス・・・聞いたことはあるけど本当にもったいないね」

「こんなにお買い得なのに、社会貢献になるなんてうれしい!」

と仰ってくださいました。

もちろん、少し割安だということも大きなポイントでしたが、美味しいからこそ捨てられるのはもっと忍びないと思う方が多かったのかもしれません。

完売したものについて「残念だけど『ロスがなくなった』という意味だよね」という方もいて、心が温かくなりました。

色とりどりの豆菓子

ロスゼロが目指したのは、以下の“5方よし”です。

◎食品提供会社...廃棄コストを収益に変え、燃料によるCO2発生を抑制。

◎消費者...美味しく食べて社会貢献。お得に美味しいものが楽しめる。

◎百貨店...食品ロス削減に向けた取り組みの加速。

◎ロスゼロ...もったいない食品と消費者の橋渡しができる。

◎日本の大きな社会課題「食品ロス」の削減。

 

実はこれに加えて、もう一つありましたので”6方よし”となりました。

某大学の食品ロス削減団体の学生さんたちが、ロスゼロチームに合流してくれたこと。

彼らは普段「主に農家様のお手伝い(援農)をし、小さすぎたり、虫食いなどの理由により規格外になる野菜を頂き、子ども食堂の支援をすることで食品ロスの削減や子供の貧困の支援を目指すプロジェクト」を進めています。

ロスゼロに参加する学生

彼らはイベント後、「ただ値段を伝えるだけではなく、なぜ食品ロスになるのかや食品のこだわりなどをお伝えしたほうがお客様は納得して購入していかれました。大きな経験になりました!」と感想をくれました。

これは、将来社会で活躍できる人材を育てたいと願うロスゼロとしても嬉しいことです。

 

販路を失ってこのままロスになる可能性があった食品を減らせたことで、喜んで下さったメーカーさんは「他のメーカーにも声をかけてみます」「紹介します!」と、ご縁をつないでくださいました。

 

こうして食品ロス削減に多くの人が関わり、これからの社会の流れを変えていこうとする人や企業が増えているのだと、ロスゼロは確信しました。

 

世の中は確実に変わってきています。

このようなイベントを機に、食品ロスを減らすベンチャーとして今後も社会にお役に立っていきたいと、気持ちを新たにした次第です。

 

 

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この記事を書いた人

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は長風呂。