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コンポストでの虫対策:快適な家庭菜園を実現

公開日: 更新日:2023.12.22
コンポストを見る犬



コンポストは豊かな土壌を作り出し、家庭菜園を豊かにしますが、時として虫の問題に直面します。

今回は、虫の侵入を防ぎながら、質の良いコンポストを作るための知識をシェアします。


コンポストの基本的な作り方と維持方法

屋外型の蓋つきコンポスト


必要な容器と材料の選び方

コンポスト作りに適した容器は、通気性と保温性があるものが望ましいです。 プラスチック製のものや木製のものが一般的で、底に穴が開いていることが重要です。

容器の大きさは、家庭で出る生ごみの量や庭のスペースに合わせて選びましょう。また、コンポスト材料としては、生ごみの他に、木くずや落ち葉、草刈り残りなどの炭素源が必要です。これらの材料は、バランスよく混ぜ合わせることで、適切な分解が進みます。  


微生物の働きを活用した堆肥作り

コンポストでは、微生物が生ごみを分解して堆肥に変える役割を果たします。
分解がスムーズに進むためには、適切な水分量と酸素供給が重要です。コンポスト内で水分が多すぎると、嫌気性の微生物が優勢になり、悪臭が発生します。そのため、生ごみに乾燥した炭素源を混ぜることで、水分調整を行いましょう。

また、週に1回程度、コンポストをかき混ぜることで酸素を供給し、適切な分解が促進されます。  


家庭菜園に適したコンポストの維持方法

コンポストを家庭菜園で効果的に維持するためには、定期的なチェックと管理が欠かせません。

まず、コンポスト内の温度を確認し、適切な発酵が進んでいるかを確認しましょう。40~60℃が理想的な温度です。

また、湿度が適切かどうかもチェックが必要です。湿度は、手で握ってみて水滴がわずかに出る程度が望ましいとされています。

これらの条件を整えることで、家庭菜園でのコンポストが快適に維持できます。  
 


虫が湧かないコンポスト材料の選び方

コンポスト材料


分解力の高い材料の活用

虫対策に効果的なコンポスト材料は、分解力の高いものが望ましいです
分解力の高い材料には、緑色の野菜くずや果物の皮、茶殻、コーヒー粉などがあります。これらの材料は、微生物が分解しやすく、コンポスト内で適切な分解が進むことで、虫の発生を抑える効果があります。

ただし、分解力が高すぎると温度が上がりすぎることもあるため、適切なバランスが重要です。  


水分バランスに注意した材料選び

コンポスト内の水分バランスが整っていると、虫が発生しにくい環境が作られます。

水分が多すぎると、悪臭が発生しやすくなり、虫が集まる原因になります。逆に、乾燥しすぎると分解が遅くなるため、適切な水分量を保つことが重要です。

緑色の野菜くずなどの水分の多い材料と、木くずや落ち葉、草刈り残りなどの乾燥した材料を適切な比率で混ぜることで、良好な水分バランスが保たれます。  

乾燥や発酵を防ぐ適切な材料

コンポスト内の乾燥や発酵を防ぐために、適切な材料を使用することが重要です。

乾燥を防ぐためには、水分の多い生ごみを適度に加えることが効果的です。また、発酵を防ぐためには、発酵しやすい材料を避けることが望ましいです。

例えば、肉類や魚類、乳製品などの発酵しやすい材料は、悪臭や虫の発生を引き起こす可能性があるため、コンポストには適さないとされています。これらを避け、適切な材料を使用することで、快適な家庭菜園を実現できます。  
  


コンポスト内の湿度と温度管理により虫の発生を予防する

コンポストに乾燥した草をいれて湿度の調整


湿度を調整する方法と注意点

コンポスト内の湿度は、微生物の活動や虫の発生に大きく影響します。適切な湿度は50%~60%が理想です。

湿度が低い場合は、水を適量加えることで調整できますが、過剰に水分を与えると悪臭が発生することがあります。逆に湿度が高い場合は、乾燥した材料を加えることで調整しましょう。

湿度計を利用して、定期的に湿度を測定することが重要です。  


温度管理で虫の発生を抑制

コンポスト内の温度は、虫の発生や堆肥化のスピードに影響します。適切な温度は40℃~60℃で、この範囲内に保つことで、虫の発生を抑制できます。

温度が低い場合は、断熱材を利用して保温効果を高めることが効果的です。逆に温度が高すぎる場合は、通気性を確保することで適切な温度に保てます。

温度計を利用して定期的に温度をチェックしましょう。  

環境を整えるための定期的なチェック

コンポスト内の環境を整えるためには、定期的なチェックが欠かせません。

湿度や温度だけでなく、材料の状態や混ぜ具合も観察しましょう。腐敗が進んでいない場合や、虫が多く発生している場合は、状況に応じて材料の追加や通気性の改善などの対策を行います。

また、季節や気候によっても環境が変化するため、その都度適切な対策を講じることが大切です。  


地域や季節に応じた対策

地域や季節によって、コンポストに適した管理方法が異なります。

例えば、冬季は温度が低下し、微生物の活動が鈍るため、分解が遅くなります。対策として、コンポストを直射日光が当たる場所に置くことで、温度を上げることができます。

一方、夏季は湿度が高くなりがちで、虫の発生が増える可能性があります。この場合、乾燥材を適切に追加し、湿度を下げることが効果的です。
地域や季節に応じて適切な対策を行うことで、快適な家庭菜園を実現できます。  
 


コンポスト周辺に虫を寄せ付けないために:自然を活用した防虫対策

コンポストに虫を寄せ付けないためのハーブなど


野菜や植物の相互作用を利用

植物には、他の植物や虫に影響を与える相互作用があります。
例えば、トマトとバジルは相性が良く、一緒に植えることで互いの成長を助け合います。また、アブラムシを寄せ付けない香りを持つハーブ類を植えることで、自然な虫対策ができます。このような植物の相互作用を利用して、家庭菜園で虫を抑制する方法を取り入れましょう。  


ベランダや家庭での天敵導入

虫の天敵を自宅のベランダや家庭菜園に導入することで、自然な虫対策ができます。
例えば、アブラムシの天敵であるテントウムシやカマキリ、ナメクジの天敵であるカタツムリを導入することが効果的です。これらの生物は、害虫を捕食することで自然のバランスを保ち、コンポストや家庭菜園を健康に保ちます。
地域や季節によって有効な天敵が異なるため、研究や専門家の意見を参考にしましょう。
 
 


コンポスト周辺に虫を寄せ付けないために:防虫ネットや罠による家庭菜園の防虫対策

  防虫ネットを使った家庭菜園  


家庭菜園での防虫ネットの選び方

家庭菜園での防虫ネット選びは、目的に応じたものを選ぶことが重要です。
アブラムシやハダニを防ぐには、目の細かいネットが効果的ですが、風通しが悪くなるため、適度な通気性を確保できるものを選ぶことが大切です。また、日光を遮ることなく、適度な遮光性も求められます。
防虫ネットは、耐久性のある素材であることも確認しましょう。  


罠を設置するポイントと注意点

罠を設置する際は、虫の生息や活動が活発な場所を選ぶことがポイントです。また、設置する罠の種類によって注意点が異なります。
粘着シートや殺虫剤を使用した罠は、家庭菜園の植物や益虫に影響を与えないよう、適切な距離を保つことが重要です。自然な方法で虫を捕獲する罠は、適切な餌や設置方法を確認して効果的に活用しましょう。  


簡単な自作防虫ネットや罠の作り方

自作の防虫ネットや罠は、手軽に虫対策ができる方法です。
例えば、防虫ネットは、市販のネットを骨組みに張り付けるだけで簡単に作れます。また、ナメクジ対策として、ビールを入れた容器を地面に埋めるだけの簡単な罠も効果的です。
自作の罠は、手軽でコストパフォーマンスも良いため、家庭菜園での虫対策に取り入れてみる価値があります。  
 


コンポスト周辺に虫を寄せ付けないために:香りを利用した虫よけの効果的な使い方

   虫よけ効果のあるハーブとレイアウト  


香りの強い植物やハーブの活用

虫よけ効果があるとされる香りの強い植物やハーブを活用することで、コンポスト周辺の虫を寄せ付けにくくすることができます。
例えば、ラベンダーやレモングラス、バジルなどのハーブ類は、蚊やアリなどの害虫を遠ざける効果があります。これらの植物をコンポスト周辺に植えることで、自然な虫よけ効果を得ることができます。  


自然由来の虫よけスプレーの作り方

化学物質を使わずに、自然由来の虫よけスプレーを作成することも可能です。
例えば、ユーカリやティーツリー、シトロネラなどの精油を使ったスプレーは、害虫に対して効果的です。水と精油を適切な割合で混ぜ、スプレーボトルに入れてコンポストや家庭菜園に適量吹きかけることで、虫対策ができます。  


香りで虫を寄せ付けない家庭菜園のレイアウト

香りを利用した虫よけ効果を最大限に活かすためには、家庭菜園のレイアウトにも工夫が必要です。
コンポストの周囲に虫よけ効果のある植物を植えるだけでなく、家庭菜園全体に散りばめることで、より広範囲での虫対策が可能になります。また、風通しを良くすることで香りが広がりやすくなり、虫が寄りにくい環境を作ることができます。さらに、異なる香りの植物を組み合わせることで、より多くの害虫に対応できる効果的なレイアウトが実現できます。  
 


もしコンポストに虫が発生した場合どう対処する?

コンポストで形作られたトラブルイメージ


コンポストにコバエやウジ虫が発生した場合、農薬や殺虫剤のスプレーを使うことは避けるべきです。これらの製品は虫を殺すだけでなく、有益な微生物や虫も同時に殺してしまいます。

これらの生物はコンポストの分解過程で重要な役割を果たしているため、これらを殺すとコンポストが適切に機能しなくなる可能性があります。

以下に、コンポストで発生した虫を管理するための具体的な方法を紹介します。


コンポストを混ぜる

虫が大量に発生した場合、一部のエリアが虫にとって適した環境になっている可能性があります。コンポストを定期的に混ぜることで、その環境を崩し、虫の発生を抑えることができます。

新しい「茶色の材料」を追加する

コンポストが湿りすぎている場合や、食べ物の残り物が露出している場合には、新しい「茶色の材料」(落ち葉、紙、木のチップなど)を追加します。これにより、コンポストの湿度を調節し、食べ物の残り物を覆うことができます。


食べ物の残り物をよく覆う

新しい食べ物の残り物をコンポストに追加したら、それを十分に「茶色の材料」で覆うことが重要です。これにより、虫が食べ物に直接アクセスするのを防ぐことができます。


虫が好む食べ物を避ける

肉や魚、乳製品などの食べ物は虫を引きつけます。これらの食べ物をコンポストに追加しないようにすると、虫の発生を抑えることができます。



【参考ロスゼロブログ】

コンポストはじめました! 微生物の「好気性発酵」を活かした資源循環
初めてのコンポスト、ベランダで挑戦しました! 〜完結編〜
プランターで挑戦!ミミズコンポストが実現させる循環型社会

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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。